ロシア・ワリエア選手個人出場も、IOCは表彰しない
ロシアのカミラ・ワリエア選手(15)のドーピング問題により、ロシアが金メダルを獲得した団体戦の表彰式をIOCは正式に中止をした。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は資格停止処分を却下し、個人戦への出場が出来る事になったが、IOCは個人種目でワリエア選手が勝ったとしても表彰をしない意向であるようだ。
ロシア スプートニク
カミラ・ワリエワ 個人戦の前に「罠」 では負けるべきなのか?
フィギュアスケートのロシアのカミラ・ワリエワ選手(15)は、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が国際オリンピック委員会(IOC)、国際スケート連盟(ISU)、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)の資格停止処分に対する訴えを却下したおかげで、北京オリンピックの個人種目への出場が可能となった。ところがIOCは、ワリエワ他、ロシア代表全体を罰する方法を見つけ出し、ロシアが金メダルを獲得した団体戦の表彰式を正式に中止した。 この決定がいかにスキャンダルに満ちたものであるかは、個人戦がまだ開始もされていない段階で、IOCがすでにその受賞者への正式なメダルの授与を取り消したことにある。ただし授賞式の取り消しは、その受賞者の中にカミラ・ワリエワが含まれば、の話だ。
IOCのこの決定は、15歳のワリエワにとっては「罠」以外の何物でもない。このドーピング・サンプル疑惑のために2度目の表彰式も行われないとなれば、ワリエワは必然的に(2回も)個人的な責任を感じることになるからだ。
ソ連・ロシア功労コーチのタチアナ・タラソワ氏はこの状況についてスプートニクからの取材に次のように語っている。
「どんなことがあってもリンクに出て、最高の成果を示さねばなりません。ロシアの女子フィギュア選手らは表彰台に上るにふさわしい。勝利者の演技の後、このことを知るのは私たちだけではなく、全世界が目にするのです。そうなれば何も疑いようがなくなる」一方、IOCが(団体戦の結果を受けての)表彰式の中止を決めたことで、ロシアだけでなく、銀メダル、銅メダルを獲得した米国、日本もせっかくの祝祭を奪われることになった。しかも日本の女子フィギュア選手らは、IOCの意向のせいで受賞のチャンスを2度目も取り消されることになるかもしれない。なぜなら、ワリエワをはじめとして「ロシアのロケット」ことアレクサンドラ・トルソワ(17)、2021年の世界チャンピオンのアンナ・シェルバコワ(17)のいるロシア代表の構成は最強だが、そのロシアにとって日本が主なライバルであることは間違いないからだ。
転載元: SPUTNIK https://jp.sputniknews.com/20220215/10173132.html