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ショートショート作品 「人工衛星 神の光」 | 渡邊有一

人工衛星 神の光

物理学者であったアール博士はある日、神の光と同じものを人工で造る事が出来るのではないかと考えてみた。特殊な光の電磁波装置を開発して自分にその電磁波をあてれば光の存在になれるかも知れないと思ったのだ。
博士

そこで特殊な光の電磁波を造り自分にあてて実験をしてみた。すると、驚いたことにある種の霊能力のような力が備わったのだった。頭脳通信というようなものだろうか。自分の姿を神のような姿に見せたり、自分の声を神の声のように聞かせ、人を自由に操る事ができるようになっていったのだ。アール博士は「この電磁波装置を人工衛星に積んでずっと宇宙から自分に当て続ければ、死ぬまでこの霊能力は自分のものになるだろう。」と考えた。そうして打ち上げた人工衛星の名を神の光と名付けた。

「人工衛星 神の光」から送られてくる電磁波によって生涯途絶えることのない霊能力を得たアール博士は宗教をおこして「私は神の光そのものだ。」と言って、多くの人々を騙してみた。すると、どんどんと信者が増え、お金もたくさん集まり、多くの女性までもが自分の自由になっていったのだった。人々はアール博士に光の電磁波があたっている事には全く気が付かず、神の光そのもだと信じ切っていた。
博士

やがて、人々を騙して好き放題にしてきたアール博士だったが寿命の時が訪れた。人々は、神の光が地上を去る事になったので、手を合わせ、涙を流した。アール博士は「信者から集めたお金で大豪邸に暮らし、ご馳走とたくさんの愛人達、高級車に高価な服や腕時計、何でも自分の自由になり、楽しい人生だった。そして私はあの世に還ってからも、神の光として永遠に輝き、人々を自由に操っていくことになるだろう。」そう思い、静かに目を閉じた。寿命が尽き肉体から離れたアール博士の霊魂は、「人工衛星 神の光」に積まれた特殊な電磁波装置の中へと還っていったのだった。
博士

あとがき

「この後どうなるんだろう?」そんなモヤモヤっとした感じの結末になっている。色々と想像を巡らしてみるのも面白いとは思うが、おそらくこのアール博士は、本来人間が還るべきところには戻れなかったのではないだろうか。科学の発展には必ずといっていいほど副作用や問題が伴う。これらの問題を解決していくには、いや問題が起きないようにするには、人間たちが理性を持って科学を扱うという事が大前提となる。AI等の科学に人間が扱われるような時代が来ない事を願う。
渡邊有一

小説作品

Posted by 渡邊 編集長