「その報いは私には来ないだろう」と思って悪を軽んずるな。
睡眠学習で寝ている間に流させていただいているスッタニパータのYoutube動画。
善因善果、悪因悪果や因果応報という言葉がありますが、物事はすぐに結果が出るとは限らないようです。非常に長いスパンで考えさせられる教えであると思います。
以下は寂静山禅定院という禅道場の動画から転載させていただきました。
第9章
悪善をなすのを急げ。悪から心を退けよ。善をなすのにノロノロしたら、心は悪事を楽しむ。
人がもしも悪いことをしたならば、それを繰り返すな。悪事を心がけるな。悪が積み重なるのは苦しみである。
人がもしも良いことをしたならば、それを繰り返せ。良いことを心掛けよ。良いことが積み重なるのは楽しみである。まだ悪の報いが熟しない間は、悪人でも幸運に遇うことがある。しかし悪の報いが熟した時には、悪人は災難に遭う。
まだ善の報いが熟しない間は、善人でも災いに遭うことがある。しかし善の果報が熟した時には、善人は幸いに遇う。「その報いは私には来ないだろう」と思って悪を軽んずるな。水が一滴づつ滴り落ちるならば、水がめでも満たされるのである。愚かなものは、水を少しずつでも集めるように悪を積むならば、やがて災いに満たされる。
「その報いは私には来ないであろう」と思って善を軽んずるな。水が一滴づつ滴り落ちるならば、水がめでも満たされる。気を付けている人は、水を少しずつでも集めるように善を積むならば、やがて福徳に満たされる。同行する仲間が少ないのに多くの財を運ばねばならぬ商人が危険な道を避けるように、また生きたいと願う人が毒を避けるように、人は諸々の悪を避けよ。
もしも手に傷がないならば、その人は手で毒を取り去ることもできるであろう。傷のない人に毒は及ばない。悪をなさない人には悪の及ぶことがない。
汚れのない人、清くてとがのない人を損なうものがいるならば、その災いはかえってその浅はかな人に至る。風に逆らって細かい塵を投げるとその人に戻ってくるように。
ある人々は人の体に宿り、悪を成した者どもは地獄に落ち、行いの良い人々は天に赴き、汚れのない人々は全き安らぎに入る。
大空の中にいても、大海の中にいても、山の中の奥深いところに入っても、およそ世界のどこにいても、悪業から逃れることのできる場所はない。
大空の中にいても、大海の中にいても、山の中の洞窟に入っても、およそ世界のどこにいても、死の脅威のない場所はない。
出展: 寂静山禅定院 梅尾泰巌